「現代のコミュニケーション革命の中心であるSNS。それは1990年代半ばに誕生したインターネットと、2007年に売り出されたiPhoneとするスマートフォンから生まれた。
それまで外部への自由な発信手段を持たなかった「わたし」は事実上の「声なき民」だった。「社会(集団=みんな)」はわたしが何を考え、何を好み、何を嫌うかを知る術(すべ)を持たなかった。何を考えているかわからない“透明人間”のようなわたしは、社会から顧みられることはなかった。
「人の命は地球より重い」という言葉がある。わたしは本来、社会の何よりもかけがえのない存在であり、社会の主役の座にすわる十分な権利がある。だが、声なき民の声は真空中をむなしく漂うだけで社会に伝わることはなかった。わたしは長い間、透明人間のようなものとして放置されてきた。